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ケストナー

アンティークドールという存在に気付いた頃
フランスとドイツが主な生産国であった、と言う事くらいしか
わかっていませんでした。
・・・まぁ、なーんにも知らなかった、が本当でしょう。

今のようにインターネットなんて無い時代です。
情報の窓口は発刊される写真集くらいしかありませんでしたから
なおさらお人形たちは魅惑的で謎にみちた存在に写って当然だったわけなのです。

時は流れいろんなことが分かって来ると、
いろんな各メーカーがあり
それぞれに個性もあり
作られた時期によって顔のつくりも違っているとか
ジュモーだとこの時代が一番好きだなぁとか
このメーカー、あのメーカーと
顔を見ただけでだいたい分かるようになって来ます。

ドイツのお人形のとっかかりはArmand Marseilleだった、
という方は多いのではないでしょうか。
その生産数の多さから目に触れる機会も多く、
お人形の中ではリーズナブルで
その割に可愛い子もたくさんいたので
アンティークドールの入門にぴったりだったのではないかと言う気がします。

同じドイツのメーカーでも筆頭に上がるのが何と言ってもケストナーでしょう。
「ケストナーはドイツ最大の人形メーカーで・・・」と紹介キャプションに雑誌などでも
必ず書かれていたように思うのですが、
当時自分はなかなかケストナーの人形たちに馴染めませんでした。
その理由は今となってはよくわからなくなってしまったのですが
多分、当時の写真集のケストナーに角ばった感じで固い表情の子が
よく掲載されていたからだった気がします。
現在はいろんなタイプのケストナーを見るので、昔の写真集のケストナーが全てでは無いと
分かっています。
それをはっきり分からせてくれたのが今我が家にいるケストナーです。

IMG_1879.jpg 



IMG_1880.jpg 

この子に初めて会った・・・と言うか、
初めて見たのは、もう10数年も前のオークションでした。
パっと画面に現れたこの子の
何とも言えない甘いようなそれでいて意志の強いような、
はたまたちょっと切ないような表情にびっくりしてしまったのですが、
その時はようやくPCで色々と見る事が出来るようになったばかりの頃で
海外にいたこのケストナーも勿論見るだけの存在に過ぎませんでした。

それから何年もただ記憶の中にいるだけのお人形だったのですが
有る時突然再びアメリカのオークションに現れました。
記憶の中と同じドレスでしたが
ドレスと共布でセットになっていたボネは失われていました。
何年ぶりかに出会ったケストナーのイメージはまるで変っておらず
知人に落札してほしいと頼みこんで、とうとうこのケストナーはやって来る事になったのでした。

PC070841.jpg 

今こうして手元で見ていても
初めて見た時のどきんとした気持ちを忘れられません。
仕事に追われて時間もままならない自分は
海外に出かけたりする余裕もありませんが
ちいさな欧州の子をてのひらに乗せて
それでかなりの幸福感なのです。










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